HSインタビュー vol.19−1: 井出 有希さん(シェアダイン共同代表)「性差を超えて皆が挑戦できる社会を創りたい(前編)」

第19回目のゲストは、井出 有希さん

Heading Southは、ありたい自分に向かってチャレンジするひとに寄り添い、応援したいとの思いを軸に活動をしています。

自分らしさを大切に、強く美しくしなやかにチャレンジする人々の気持ちを後押しし、そんな素敵なひとが増えることを願ってお届けする「HSインタビュー」の第19回のゲストは、井出 有希さんです。

出張シェフサービス「シェアダイン」共同代表

井出さんは、出張シェフサービス「シェアダイン」を運営する株式会社シェアダインの共同代表。シェアダインは、利用者と利用者の目的に合ったプロの料理人や管理栄養士をマッチングし、シェフが出張訪問して料理を作ってくれるサービスです。

起業のきっかけは、井出さんご自身が産休・育休から復帰したときに感じた、共働きだと家庭内の食事が犠牲になるとの思いから。子どもが偏食気味で、何を作ればいいか分からないとの葛藤もあり、同僚で同じ悩みを持つ飯田さんと思いを共有し合う中で、サービスのアイディアが生まれたそう。

コロナ禍の食を取り巻く環境や価値観の変容により、サービスは大きく拡大

当初、子供の偏食などの悩みや課題に沿う形で、専門性の高い人と出会える仕組みを作れないかという思いから始まった同サービスは、コロナ禍で働く場所がなくなったシェフなどの受け皿として急速に拡大し、登録シェフ数はコロナ前比3.5倍となる2,100名を超えました。

また、利用者側も、在宅を余儀なくされる環境下において、内食のあり方や家族と過ごす中での食の位置付けが見直され、従来の作り置きサービスだけでなく、シェフを自宅に招いて料理を振る舞ってもらうなど、新しい食卓の形としての選択肢に広がりつつあります。

凛とした佇まいの井出さん

「料理は女性の役割」と意識を持ち過ぎているのは、実は女性の方なのかも?

家事の中でも、料理は「女性の役割」という固定観念が根強いのではないでしょうか。自宅に見知らぬ人を入れる抵抗感も一因かもしれませんが、共働きでも自分がやらねばと考える女性は多く、内閣府による調査では、日本人女性の6割以上が自身の家事・育児負担を減らすためにベビーシッターや家事代行サービスを使うことに抵抗があるとの結果もあります。

面白いことに、シェアダインでは、サービスの利用開始は旦那さまの申し込みがきっかけで、その後に、奥様が積極的に活用されることも多いそう。合理性や奥様の負担を考えて使うことを勧める旦那さまに対して、奥様は「そっか、使ってもいいんだ……」という反応だそうです。

確かに、女性として料理を手放すことに私自身もためらいを感じがちですが、このお話を聞いて、家事においての性別役割分業の意識を持ち過ぎているのは、実は女性の方なのかもしれないと気付かされました。

就活で性差への違和感を強く感じ外資系企業へ

起業前は、外資系金融機関2社を経て外資系コンサルティングファームへと、一貫して外資系企業でキャリアを積んだ井出さん。

留学経験もなく、就活前は外資系企業での就職は全く選択肢になかったといいます。ところが、中高時代を女子校で過ごし、性差が壁になって何かができないという経験がなかった井出さんにとって、日本企業の女性総合職の採用人数の少なさや、面接の度に聞かれる「結婚したら、出産したら、仕事はどうする?」との問いに、性差への強烈な違和感を感じたことが外資系企業に目を向けさせたといいます。

家庭内の固定的な役割を解き放つことで、性差を超えて皆が活躍できる社会を創りたい

井出さんは、シェアダインの拡大を通じて、性別役割分業思想や家庭内だけで全ての役割を分担する、これまでのあたりまえを変えたいと言います。そこには、家庭の中で固定された役割を解き放ち、その役割を外部にお願いすることでもっとオープンで新しいつながりが生まれていくという世界観を醸成していきたいとの思いがあります。

共働き家庭の食を守りたいとの思いが起業のきっかけではあるものの、井出さんのチャレンジの根底には、就活での性差に対する強い違和感を経験した彼女の、性差を超えて皆が挑戦できる社会を創りたいとの強い思いがあるように感じました。

井出さんのチャレンジのお話、是非お楽しみいただけましたら幸いです。

井出さんは、008 Lilla di Firenze(フィッシャーズピンク)を、廣田は、010 Arancione Zucca(オレンジ)をそれぞれ合わせています

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廣田: 本日は貴重な機会をありがとうございます。 井出さんは、入社年次が同じで、外資系証券で株式アナリストをしていたことでも共通点があるので、現在のチャレンジのお話をお伺いすることをとても楽しみにしていました。

井出さん: ありがとうございます。

廣田: 井出さんは、新卒から起業されるまでの間、一貫して外資系企業で働かれていたと伺いました。小さい頃から外資系企業で働きたいとの思いがあったのですか?

就活開始当初は外資系企業に関心がなかった

井出さん: いえ、私は日本の大学で留学経験もなかったので、就職活動時までは外資系企業で働くことは一切考えてなかったんです。

外資系企業のことを知ったのも、就活時期に外資系企業の方がインターンシップが早く始まるため、日本企業の面接を受けるうえでプラスになると思ってインターンシップの募集に申し込んだことがきっかけでした。

たまたま受けてみたら、外資系金融機関のゴールドマン・サックス証券でインターンに選ばれたんです。

廣田: なるほど、そうだったのですね。今、さらりと仰いましたが、知っている人間からすると、それは選ばれるだけでも本当に一握りのやつですね(笑)。

井出さん: うーん、そうですね……(笑)。

超難関外資の内定を獲得後も、日本企業での就職を目指していたものの……

井出さん: インターンシップでは、株式調査部に配属されて、与えられた課題に対して分析をして、それをまとめてプレゼンテーションを行ったんですが、それが良かったのか、とんとん決まって内定まで頂いてしまったんです。

ただ、私自身は、それでも日本企業に就職すると思っていましたし、正直、あまり興味がなかったから、それがどれだけすごいことなのか、当時はよく理解してなかったんですよね。

ところが、並行しながら日本企業の面接を続けていくうちに、段々疲れてきてしまって……。

廣田: と申しますと……?

プロセスが不透明な面接、繰り返される「結婚したら、出産したら?」の問いに疑問が膨らむ

井出さん: まず、面接で次に進むプロセスがよく見えなかったんです。今は制度自体なくなりましたが、当時はリクルーターに権限があり、入社3〜4年目の先輩社員が次の面接に候補者を推薦するかどうかを決められるなど、プロセスが不透明なように感じたんです。また、面接も男性ばかりが沢山出てきて、「結婚したら、出産したら、仕事はどうするんですか?」って必ず聞かれて……。

同じ質問を繰り返されるうちに、「この質問を聞いて、会社は一体何をしたいんだろう?」と疑問を感じるようになりました。さらに、総合職の女性の先輩には、「この会社は女性の総合職はひとりしか採らないから、大変だよ」と言われる始末で……。

人生で初めて感じた性差への違和感。公平に評価される外資系企業が魅力的に見えた

井出さん: 私は、中高は女子校だったこともあり、それまで女性であることが壁になって何かができないという経験はなかったんですね。それゆえ、就活を通じて、なぜ性別で採用人数や役割分担が決まっているんだろうという思いが強くなり、その先に広がるものが見えなかったんです。

それに比べて、外資系企業はもっとオープンな感じでした。内定を頂いたのも、純粋にプレゼンテーションの内容で判断されたのが分かったので、全然違うんだなと思ったんです。それで、ゴールドマン・サックス証券のオファーを受けようと思ったんです。

実は外反母趾でお悩みの井出さん。ヒールが基本だった証券会社時代は痛いのを我慢して履いていたそう……

廣田: 私は日本企業の面接を受ける機会がなかったので、そのような差異を感じる機会はなかったのですが、そんな印象を受けられたんですね。

ところで、当時の井出さんのお仕事に対する価値観ってどのような感じでしたか?それまでの教育や生活環境に大きく影響を受けるように思うのですが……。

小さな頃から女性の自立を促す教育環境で育つ

井出さん: 母は専業主婦でしたが、結婚したら退職しなければならない職業だったから辞めたという感じでしたので、小さい頃から「あなたたちの時代は、結婚・出産しても働くのよ」と言われて育ちました。

また、中高時代は女子校でしたが、女性の自立を促す教育が基本にある学校でしたので、自然と、結婚・出産してもずっと働くものだと思っていましたね。ただ、「外資系でバリバリ稼ぐぞ!」という思いまでは持ってなかったです(笑)。

廣田: あー、それは私も同じですね(笑)。実際に働かれてみて如何でしたか?

激務だった証券会社時代。その後、2度のリストラを経験

井出さん: 株式調査部に配属されましたが、株や企業分析に関する知識もゼロでしたし、しかも英語で対応しなければならないことが多いので、本当に大変でしたね。

証券会社のアナリスト(上場企業の財務内容や収益力・成長力などを調査分析し、投資価値を評価する専門職)は担当する業界を任命されますが、私は自動車・自動車部品セクター(業界)の担当になったものの、専門知識もない中で、シニアのアナリストのサポートをしながら、必死に勉強する、みたいな……。

廣田: 本当にそうですよね。私も仕事以外、何もする余裕がなかったなぁ……。

井出さんは証券で9年働かれた後、その後、外資系金融機関を経て外資系コンサルティング企業へご転職されているかと思います。少し聞きづらいのですが、その際、2度のリストラに遭われたとお聞きしました。

私も外資系金融が長かったので、正直、この環境で働く人々からすると、リストラは日常茶飯事ですし、一般に思われているよりも、常々覚悟しているというか、あたりまえに起こることとして認識している人が多いように思いますが、井出さんのキャリアパスや仕事への考え方にどのように影響を与えたか教えていただけますか?

ご試着タイム!この日は、グレーのロングスカートに合わせて008 Lilla di Firenze(フィッシャーズピンク)をチョイス

1度目は、悔しくもどこかほっとした気持ちも

井出さん: そうですね。最初のリストラは証券で9年働いたときだったのですが、ついにきちゃったな、という感じでした。周りでも度々リストラはありましたし、それが普通に起こり得ることではあるとは理解していました。

悔しい気持ちもあったものの、正直、ずっとそこで働くイメージを持ててなかった。「ようやくこの舞台から降りられるんだ」という思いもどこかあったように思います。

長期のキャリアを描いていた転職先で訪れた2度目のリストラ

井出さん: どちらかというと、2度目の方が私にはしんどかったですね。初めての転職先は、顧客から預かった資金を運用する投資会社のアナリストの職務でしたが、証券会社に比べて就業時間のコントロールもし易く、結婚・出産しても働きたかった私としては、ここで長期のキャリアを積みたいとの思いがありました。

実際、私自身のパフォーマンスも良かったですし、自分の名前を積極的に売り込む必要がある証券会社のアナリストに比べて、こちらの方が自分の性にも合っていると感じていました。

出産後に復帰して活躍する先輩もいたので、イメージもし易かったのですが、転職して3年目に本国の都合で日本のオフィスを撤退することになり、全員が解雇されました。当時は、市場環境もあまり良くなく募集も少ない中、長期のキャリアプランを考えるうえで、次の転職先には大いに悩みましたね……。

子育てをしながら長くキャリアを積みたい。年齢も考え、行き着いたコンサル業界への転職

井出さん: 当時私は33歳。前職で結婚はしたものの、金融業界で同じように働く先輩には、不妊治療に長く取り組まれている方もいたり、早めに考えた方がいいとのアドバイスをもらったりしていました。

同じような職務で再就職すると、アナリストの投資判断を参考にするファンドマネジャー(資金運用者)からの信頼を獲得するのに最低1年は掛かりますし、その後株式市場に左右されるリスクや、妊活でさらに出産が遅くなることを考えると、今まで自分がやってきたことが活かされて、長期的な視点で業界を見ていけるような仕事が好ましいと考えました。

そこで行き着いたのが、コンサルティングファームのアナリストの職務でした。株式市場の状況に左右されないので、比較的時間もコントロールしやすく、とても働き易い環境でした。

5年間お世話になる中で、2度産休・育休も取らせていただき、出産後もとても働き易い環境でした。

廣田: そこで、現在、共同代表をされている飯田さんとの出逢いがあったのですね。

出産後に悩まされた長男の偏食。毎日が唐揚げの食卓に強い罪悪感を抱く

井出さん: はい。復職して、家庭の食事に一番悩まされたんです。仕事から帰宅後に夕食の準備をするから、時間も限られるし手の込んだ料理はできない。また、長男がひどい偏食で、緑の野菜を全く食べてくれず、野菜が少しでも入っていたり、気に入らないおかずには、頑なに手を付けなくて、そのことも大きな悩みの種でした。

栄養に偏りが出ることが心配でしたが、食べられるものだけを食卓に出すことを決めたら、そのうち、おかずは「毎日スーパーの唐揚げ」になってしまって……。

私が子どもの頃は、季節には旬のメニューが並ぶ豊かな食卓があたりまえのようにありましたが、その良き思い出とは程遠い義務感に駆られた食卓に、働きながら子どもにしっかり向き合えているのだろうかと罪悪感を感じる日々を過ごしていました。

長く働くつもりで入社した2度目の転職先を起業で退社。「やったあとに考えればいい。その方が楽しい人生になる」と井出さん。素敵です!

同じ悩みを持つ同僚の飯田さんとの親交を深める中で、起業の誘いを受ける

井出さん: 私のように働くママはどうしているのだろうと思い、会社のママ同僚とランチに行って聞いてみたところ、実際、私以外の働くママもあまりきちんとした夕食を作っていない人が多いことがわかりました。みんな頑張って早起きしたり、子どもを寝かしつけた後に作ったりとやり方はそれぞれでしたが、「みんな努力しているけれども、それでも大変」というのが共通認識でした。

共同代表の飯田も、子どもの食が細いなど、同様の悩みを抱えており、よく情報共有をしていました。

あるとき、飯田が復職後に過労で倒れたときの話をしてくれたのですが、その際に頼んだ家事代行サービスで来てくれたのが、たまたま産後ドゥーラ(産後直後のママに寄り添い、育児・家事、心身も含めた総合的なサポートを行う女性)だったんです。産後の栄養不足に最適な栄養についての深い知識を持ち、自分では思いつかないようなメニューを作ってくれたと聞いて、こんな解決方法があるんだと驚きました。

同僚で悩みを共有するうちに、飯田は、この悩みは自分達だけでなく、きっと日本全国で起こっているはずであり、この悩みを解決することをビジネスにしたいという思いが強くなったんです。そして、そんな彼女に「一緒にやろう!」と誘われたんです。

やらなかったことを後悔するより、やったあとに考えればいい。その方が楽しい人生になる

廣田: 井出さんは、誘われてすぐにご決断されたんですか?

井出さん: いや、正直すごく悩みました。当時働いていたボストン・コンサルティング・グループはとても良い会社でしたし、子育てしながら働き易く、長い目で見てもキャリアを積める環境でした。

ただ、新たにこういうチャンスは巡ってこないし、やらなかったことを後悔することはすごくもったいないと思ったんですね。やったあとに考えればいい。その方が楽しい人生になると思ったんです。

廣田: 素晴らしい!それでチャレンジを決められたんですね。

(後編に続く)



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【プロフィール】

井出 有希(いで ゆき)
株式会社シェアダイン 共同代表

1978年生まれ。2000年、東京大学経済学部卒業後、ゴールドマン・サックス証券に就職。09年、アライアンス・バーンスタインに転職、12年からボストン・コンサルティング・グループに。17年、シェアダインを創業。

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